第2期治療および成人の矯正治療
第2期治療および成人の矯正治療により歯並びやかみ合わせを良くすることで、お口の中の衛生管理が容易になり、虫歯や歯周病のリスクが軽減します。
また、矯正治療により歯並びをきれいにすることで、自然と笑顔が増えることと思います。
青年期以降の時期においては、歯並びに限りませんが、口元にコンプレックスがありますと、笑うことを躊躇したり、口元を手で隠しながら笑うことが癖づいていたりすることもあるかと思います。
笑顔は、それだけで相手に良い印象を与えるものです。
この笑顔に、きれいな歯並びが加わりますと、この好印象は倍増するものと考えます。
矯正治療により歯並びがきれいになることは、 健全なお口の状態のためのみならず、心の健康にも寄与し得るものと考えます。
当院の第2期治療および成人の矯正治療では、審美性のご要望に応じ、幾通りかの治療法を準備しております。
下記に詳しく示しますが大きくは「マルチブラケット装置による治療」と「マウスピース型矯正装置による治療」の2通りです 。
(当院では、裏側の「舌側矯正治療」は行っておりません)。
患者様方それぞれの症状とご要望を踏まえ、ご提案させていただきます。
#1 マルチブラケット装置による治療
マルチブラケット装置とは、歯を動かすために最も一般的に使用される矯正器具の一つです。
歯に接着される「ブラケット」と呼ばれる小さな器具と、ブラケットに装着される「ワイヤー」の部分から構成されます。
当院では、大きく3パターンのマルチブラケット装置による矯正治療をご提供できるよう準備しております。
3パターンともに「セルフライゲーションブラケット」という種類の装置を使用します。
セルフライゲーションブラケットは、歯の移動に際し、装置中で生じる摩擦を軽減することで、治療中の痛みが軽減できるのではと考えられています(ただし痛みの感受性は個人差が非常に大きく、一概にはいえません。また、科学的根拠も依然、乏しい状況ではあります。)。また、キャップ式で、ワイヤーの脱着が容易であるため、従来のブラケットを使用した場合に比べ、1回の診療時間が短縮でき、患者様方の負担が軽減できます。
なお、下記3通りのマルチブラケット装置全てにおいて、ほぼ同等に下記の事項は注意が必要です。
- 適切な衛生管理を行わないと虫歯や歯周病を起こす可能性があります。
- 歯の移動に際し、痛みを生じます。(ただし痛みが生じる期間や程度は個人差があります)
- 装置により頬の粘膜の口内炎などが出来やすくなることがあります。
- 装置の破損・変形の恐れがあるため、硬い食べ物や粘着性の食べ物は、控えていただく必要があります。
①透明のブラケット+金属色のワイヤー
歯のおもて面にセラミック製の透明なブラケットを接着し、金属色のワイヤーで調整します。
ブラケットのキャップ部分は、ライトシルバー色です。
審美性・ 料金設定ともバランスが取れており、最も標準的な装置です。
メリット
- メタルブラケットに比べ目立ちにくいです。
- 比較的、審美性にも優れています。
デメリット
- ワイヤーは、金属色で、比較的目立ちやすいです。
- ブラケット本体が金属製と異なり、かけることもあります。
②白色のブラケット+白色のワイヤー
歯のおもて面にセラミック製の白いブラケットを接着し、白いワイヤーで調整します。
ブラケットはキャップ部分も含め全体が白く、これに白いワイヤーを併用するため、非常に審美性に優れています。
メリット
- 当院で採用のマルチブラケット装置の中で最も審美性に優れており、目立ちにくいです。
デメリット
- 歯そのものの色よりもブラケットが白すぎて、少々違和感がある場合があります。
- ワイヤーはライトシルバー系のワイヤーで、完全な白色ではありません。そのかわり、完全な白色のワイヤーのようにコーティングが剥げることはありません。
- 料金設定は、他のブラケット装置に比べ高いです。
③メタルブラケット+金属色のワイヤー
歯のおもて面に金属製のブラケットを接着し、金属色のワイヤーで調整します。
メリット
- 他のブラケットに比べ、大きさが多少小さいです。
- 頑丈でブラケット自体が割れたりすり減ったりすることによる付け直しが少ないです。
- 他の種類のブラケットに比べ、料金設定が安いです。
デメリット
- 金属色で目立ちやすいです。
#2 マウスピース型矯正装置を用いた治療
透明のマウスピースを矯正装置として使用します。
個々の歯型を口腔内スキャナーで採り、専門の業者へ外注し作製します。
歯の動きに合わせて、順次マウスピースを交換していくことで歯を少しずつ動かして治療します。
メリット
- 目立ちにくく、取り外しがしやすく、衛生管理が容易です。
- マルチブラケット装置に比べお口の中での違和感が少ないです。
- ブラケットやワイヤーのように口内炎が出来やすくなることも少ないです。
- 金属アレルギーの方でも適応可能です。
デメリット
- 適切な衛生管理を行わないと虫歯や歯周病を起こす可能性があります。
- 装着時間を十分に確保しないと、治療効果が出ません。
- 1日20時間以上の使用が必要です。これらを守らないと、治療効果が出ないばかりか、適合状態が悪くなり、再作製が必要となる場合があります。
- マウスピースの洗浄など自己管理が必要です。
#3 部分的な矯正治療
当院では、ブラケット装置およびマウスピース型矯正装置による部分的な矯正治療を行います。
下記のような症状を治療対象とします。
- 奥歯のかみ合わせに大きな問題を伴わない前歯のでこぼこ
- 奥歯一本の傾きや位置などの修正
- 微小な隙間の閉鎖
いずれの場合も、永久歯の歯並び完成後の時期での治療に限ります。
お子様の矯正治療は部分的な矯正治療の適応となりません。
ブラケット装置を適応する場合は、上下両方の歯並びへの適応も可能としますが、マウスピース型矯正装置の適応を希望される場合は、上下いずれかの歯並びに対しての治療のみとします。
詳細はご相談下さい。
保険適応の矯正治療
矯正治療の多くは、保険外診療(自費診療)になりますが、下記のような患者様に関しては、保険適応となります。
- 「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
- 前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
- 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療
詳しくは、下記のリンクをご覧ください。
https://www.jos.gr.jp/facility
(日本矯正歯科学会ホームページより)
医療費控除について
医療費控除制度は、本人や家族が1年間に支払った医療費の合計が10万円を越える場合に、確定申告をすれば税金の還付が受けられる制度です。
- かみ合わせや歯並びが健康や成長に影響を及ぼし矯正治療が必要と認められた場合、その治療費は医療費控除の対象となります。
- 審美目的となる矯正治療は、対象となりません。
- 通院のための交通費も医療費控除の対象となりますが、自動車での通院の場合のガソリン代は控除対象とはなりません。
- 医療費控除の申請には領収書が必要となりますので、大切に保管してください。
- その他、必要な書類等もございますので所轄税務署へお問合せ下さい。